父親がその店のマスターと常連6,7人を家に呼んで新年会を催した時、彼らは当時小学五年生だった私に次々とビールを注ぎ、人生初の飲酒で頭痛と吐き気に襲われぐったりしている私を肴に夜半まで飲み続けていたという、そんなろくでもない大人たちが集まる店ではあったが、出てくる焼鳥はまさに絶品であった。
家族で外食、となるとたいていその店で、とてもテンションが上がった。
どの部位も美味しかったが、特にせせりとこころは食べるたびに心が震えた。
まあそれはやや言い過ぎではあるが、あの店が私を相当な焼鳥好きにしてしまった主因だったと、今にして思う。
とにかく、子供の頃から40過ぎの今に至るまで、私にとってのご馳走は常に焼鳥であったし、平均的な成人男性の焼鳥摂取量を100とすれば、私の場合400は軽く超えるであろう。
そんな私が、外で食べるだけに飽き足らず、家でまで鳥を焼き出したのは、2chのまとめかなにかで「屋台横丁」の存在を目にしたのがきっかけだった。電気式の機械で、見た目はおもちゃっぽいし実際焼くのにもすごく時間がかかるので、あくまで焼鳥屋さんごっこの域を出なかったが、それなりに雰囲気もあり、一人でちびちび楽しんでいた。
それがだんだんエスカレートし、ガスによる輻射熱でパワフルに焼ける「炉ばた大将 炙家」、一部マニアの間で有名な無煙ロースター「セラグリル」を経て、約一年前から備長炭での室内焼鳥を嗜んでいる。
まだまだ素人丸出しながら、ネットや書籍からの情報とよく行くお店での盗み見とイマジネーションと試行錯誤により、多少はノウハウが積み上げられてきたように思う。
以下は私が自宅で食べている鳥たちの一例だが、肉の捌き方や串の打ち方、味付けや仕上げなど、稚拙ながらもそれなりに工夫を凝らしているつもりである。
前置きが長くなったが、おそらく個人が自宅の室内で炭火焼鳥を楽しむための”いろは”がある程度体系的にまとめられたメディアは今のところないはずなので、ここではそれを目指したい。それが、今までに私の血肉となった数多の鳥たち(とこれからなるであろう鳥たち)への供養になればと、都合の良いことを考えている。
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