2018年8月18日土曜日

炭を選ぶ

炭は言うまでもなく消耗品である。

私の場合、調味料などを含め、消耗品を選ぶ基準は「値段が安くいつでも簡単に手に入るもの」と決めている。旅行先で良さげな海塩を見つけたり、誰かからその人の地元の希少な醤油をいただいた時には飛び上がって喜ぶが、日々の焼鳥には使わない。
味付けの精度がブレるからだ。
同じ材料で反復練習しなければせっかく分量の感覚や投入のタイミングなどをつかんでも味の再現性を保てない。そのため、出来るだけ家計に優しく、必要な時にいつでも買え、おそらく当分の間は廃版にならないであろうメジャーな製品を選ぶようにしている。

炭もその視点で検証した結果、最初はAmazonで一番レビューの多い10kgで2,000円程度のオガ備長炭を選んだ。


これは備長炭とは言いながらオガクズを成形した竹輪のような人工炭で、火力が安定して火持ちがよく、何よりコストパフォーマンスが抜群で一箱で20回以上は使える。カンテキで焼く焼肉屋でよく見かけるアレだ。
これでしばらく特訓していたが、火が進んで隙間が空くとそこに脂が落ちた時に火が上がりやすいという難点があった。鳥肉が炭から上がった炎で直接炙られると黒っぽい煤がつき、えぐみが出てしまう。某チェーン店などで「名物もも炭火焼」などと称して出てくるあの煤けた感じだ。火事も怖い。

ただ、それよりも大きな問題は、人工炭のためか肝心の煙が少しケミカルな匂いを発することだった。燻煙効果を求めて炭火を採用している以上これは看過できないので、奮発して土佐備長炭を試してみたところ、同じ炭でもこれほど違うものかと驚いた。清涼感のある上品な薫りで、焼き上がりの味わいも全く違う。


やっと求めていた正解にたどり着いたと喜んだが、コストがオガ炭の四倍くらいするのと、火力が落ちやすいという弱点があった。
お店のように大量に熾せれば炭同士が相乗的に火力を強めあって維持できるのかもしれないが、個人でちょっとずつ使う場合には二時間もしないうちに焼面の温度が露骨に下がってしまう。その都度バーナーで底部の炭に火を入れながら使っていたが面倒極まりない。

そこで、底部には高火力を維持できるオガ炭を敷き、肉からの脂を受けて煙を出す上部に備長炭を置いてみたところ、火力を保ちながら芳しい燻煙効果を得ることができた。
脂は全て備長炭が受けてくれるので火も上がらないし分量比はオガ炭3:備長炭1くらいなのでオール備長炭よりは経済的にも有利である。今のところ、このハイブリッドスタイルが個人が趣味の範囲で行う炭火焼鳥では程よい落とし所ではないかと思っている。


続いて、具体的な炭の取り扱いとそれに必要な什器類について考察を続ける。

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